春色の恋−カナコ−[完]

「さ、お風呂だ!」

湯船にゆっくりつかって、そっと目を閉じると浮かんでくるのは、河合さん。

「病気だな…」

河合さんのことばかり考えている自分がおかしくて、笑いが止まらない。

時間をかけてお風呂を済ませ、寝る準備をして携帯をチェックする。

河合さんからおやすみのメールが届いていたので、おやすみなさいと返信してから瞼を閉じた。


週の半ばから私の仕事も忙しくなり、少しだけ残業して帰宅した。

おにいちゃんと河合さんは変わらず忙しいようで、家に帰っても寝るだけという感じ。

二人とも、体力は自信があるなんて言っているけど、すごく心配なんだけど。

少しでも元気になるようにと、二人のお弁当を作れる日は、栄養いっぱいになるようにあれこれ考えて頑張って作った。

あっという間に金曜日も終わり、週末だけど残りの業務をこなすべく2時間だけ残業をして。

就職してから、ほぼ残業なしで来た私だったけど、こんなに忙しいのは初めてで。

さすがにすべて片付いた時には、大きなため息とともに机に伏してしまった。

「ふふ。お疲れ様」

そんな私を見て、藤井さんがお砂糖とミルクのたっぷり入ったアイスコーヒーを持ってきてくれた。