その溺愛、危険度99%につき


仕方なく振り向くと、制服姿の朔と目が合った。


「……南口の方にいたんじゃなかったの」
「走ってきた。1秒でも早く澪に会いたくて」


セリフと表情があってない。
そう思うくらい、朔は無表情で。
それが少し怖い、なんて……。



「ねぇ、なんで俺の電話無視したの?スマホの電源も切ってたよね?なんでそんなことしたの?いつも勝手に帰るなって言ってんのに、なんで俺のこと置いていったの」



私を見下ろすようにして、瞬き一つせずそう言う。

あ、圧がすごい……
うぅ、負けるな私。悪いのは私じゃなくてコイツなんだからっ。



「あのね、元はと言えば朔が私に嫌がらせしてきたのが原因だからね?」

「澪に嫌がらせなんかするわけない」
「いやしたでしょ!!虫のおもちゃとか激辛カップ麺とかっ」