その溺愛、危険度99%につき


「まぁ気持ちはわかるけど。アイツに会ったらおまえが機嫌取れよな」



えぇ、なにその言い方……もしかしてめちゃくちゃ不機嫌になってんのかな……

でも、元はと言えば悪いのは朔だよ……!?


「で、その朔はいまどこにいるわけ?」
「南口のほう。さっきメッセージ送ったしすぐに来るだろ」

「……そっか」


じゃあ、さっきの人は朔じゃなかったんだ。
よく考えてみれば制服も学ランだったし……人違いか──



「光輝、今すぐその手離さないと腕の骨折るよ」



後ろからその声が聞こえた瞬間、光輝はすぐに私から手を離した。

いつのまにか着いた駅前の広場で、ため息を吐く私。

振り向かなくても誰だかわかる。こんな物騒なこと言う奴なんて、1人しか思い浮かばないもん。



「澪、」