その溺愛、危険度99%につき


周りに迷惑がかからないように私が見張らないとって、ただそれだけだったはずなのに。

そもそもコイツのことが面倒だと思っているのなら、放っておけばいいのに。

……でも、私思うんだよ。



「アンタは確かにヤバい奴だけど、今はただの普通の……皆から頼りにされる優等生の高校生なんだもん」



今日だって、司書さんのお手伝いしてたでしょ?
たとえ私との約束があったとしても、声をかけられたらちゃんと応えてあげるのを私は知ってる。



「昔のこととか、なんで私に付きまとうのかとか、分からないことだらけだけど……朔が今、平和に楽しく過ごせてるんならそれが続いて欲しいって思う」



誰かと放課後寄り道して、美味しいもの食べて、バカみたいに顔をキラキラさせててほしいよ。

ケーキを食べている時の朔は、ただの朔だった。
私は意外とアンタのそういう顔を見るのが嫌いじゃないよ。