その溺愛、危険度99%につき


お店の人に事情を説明したら、すぐに削除しますって言ってくれた。


「次はあっちだね」


通話を切って、裏門から学校の中へと戻った。
ローファー片手に、靴箱へ続く廊下を歩く。


「帰らないの?」
「帰るよ。正門から」

「え」

「逃げるのは癪なんでしょ?普通に帰ろうよ」


朔のファン……みたいな人たちがいるだろうけど、そんなの関係ないよ。



「私が帰ってって言ってくるから、朔はここで待ってて」

「危ないから澪がそんなことしなくていいよ」
「いや危なくはないでしょ……それにアンタが来たらあの人たちさらに騒ぎ出しそうだし。スマホで盗撮とかされたら嫌じゃん」



"待ってて"って言ってるのに、朔は私の後ろを着いてくる。



「なんで澪がそこまでしてくれるの」



ぽつり、後ろからそんな言葉が聞こえて。
確かにそうだな……って思った。