「あの子たちも悪いと思うけど、手出したらその瞬間朔だけが悪者になっちゃうんだからね?わかってる?」
「澪を傷つける奴がいたら、俺はいくらでも悪者になるよ」
「いやなんでそうなるの……まずは手を出さないようする努力をしようよ……」
あぁもうだめ、気を抜くとすぐにため息を吐きたくなっちゃうっ。
吐き出しそうになったため息を吸い込んで、それから私はスマホを取り出した。
「一応聞くけど、あの動画でこんな風に注目されるのは嫌なんだよね?」
「……嫌だし困る、かな」
「だよね。じゃあ消してもらお」
ぱちぱちと瞬きを繰り返す朔を横目に、私はこの間行ったカフェに電話をかけた。
朔の映った動画のこと、学校にまで待ち伏せされたこと。

