ごめんね、と一言呟いて。
それから、トン、と軽いチョップを頭に落とした。
小学生でも痛くもなんともないと思うくらいのチョップだったと思う。
ぱちぱちと瞬きをする子に、ため息を吐いた。
「あのさ、確かに朔はカッコいいと思うけど、だからってこんなところで待ち伏せするのは非常識だと思う。そんなことされたら嫌な気持ちになっちゃうよ」
「ご、ごめんなさい……」
「ほら、朔もこの子に謝って」
「なんで」
「この子のこと傷つけようとしたから」
「……」
「ごめんなさい」って、小さな声で朔はそう言った。
「──はぁ……もう疲れた……」
女の子たちがいなくなった裏門で、またため息を吐く。
誰かを傷つけるようなことはするなって、いつも言ってるのに。どうしてこうも言うことを聞いてくれないんだこの男は……っ。

