その溺愛、危険度99%につき


「……は?」



あ。って思った。
ヤバいかもって思った。

だって、朔の目がいつもと違っていたから。
光を感じない、冷たくて暗い目になってた。


夜の街で見た朔と、まったく同じ。


その瞬間、朔が動いた。
声をかけた女の子に向かって、風を切るように素早く右腕を伸ばす。

朔の手が向かう場所は、女の子の首だった。



「朔っ!!」



ヒュッと体温が下がるのを感じたと同時に、名前を呼んでた。



「なに……」



首を掴む寸前のところで、朔の手は止まっている。
これ、私が呼び止めなかったら、そのまま首を絞めてたんじゃないの……?


「っその子から離れて」
「なんで」

「なんでって……アンタ首絞めようとしてたでしょ?」