その溺愛、危険度99%につき


その声音からは微かに苛立ちを感じる。

さっきはそんなに気にしてないのかな?って思ったけど、本当は嫌な気分になってるのかも。
そりゃあそうだよね……ストーカーされてるみたいで、いい気持ちではないよね。



「朔、あのさ──「あっ!!」



裏門から学校の外へ出た時、朔に声をかけた。
だけど、外には他校の制服を着た女の子たちがいて。

私の言葉はその子たちの声でかき消されてしまう。


「わっ……!」


隣にいた私を押しのけて、朔に駆け寄るその子たち。
バランスを崩してしまったせいで、尻もちをついてしまう私。

ま、まさか裏門にまでいるなんて……!
ていうかっ、私の存在を無視しないでもらっていいですか!?



「あのっ、私たちこの動画見て……もし良かったら名前だけでも教えてもらえませんか?」