その溺愛、危険度99%につき


慌てて朔のあとを追う。

特に焦ってる様子もないし……
これだけ顔が整っていたら、注目されることにも慣れてるのかな?

廊下を歩く朔の横顔をチラッと見る。


癖毛の黒い髪がゆらゆらと揺れていた。
肌も綺麗だし、なんかまつ毛も長いし。
ていうかスタイルも抜群だし。

どっからどう見てもただのイケメン。
まぁ、性格に難ありだけど。



「(……あ。)」



朔の首、耳の下あたりにホクロがあるのを見つけた。
……なんか、私、これを前にも見たような……


うーん?なんて考えていると、パチっと朔と目があった。
「ん?」って、にっこり笑う朔に慌てて首を振る。




「──あれ、裏門から帰るの?」
「うん、今日だけ。逃げてるみたいで癪だけど」