「──ケーキ美味しかったね」
「そうだねぇ。お店の中もオシャレだったし……みんなスマホで写真撮ってたね」


駅へと続く道を、朔と並んで歩く。

アンティーク調の、いかにも写真映えしそうなお店だった。
他の学校の人たちや大学生の人たちがたくさんいたけど、ほとんど女の子だったから、朔は目立ってた。

『カッコいいね〜』とか、『一緒にいるの彼女かな?』とか。

そんな声が聞こえてきたけど、朔はフル無視で。


『澪って食べてる姿も可愛いね。一口も小さくて可愛い。美味しいと逆に困った顔するの何なの?可愛くて俺が困るんだけど』

『あのさぁ!?ほんっとにいい加減にして……!!』

『恥ずかしくなると大きな声出しがちなところも可愛い』