「前から聞こうと思ってたけど……どうしてこんなことするの?」
毎朝迎えに来てくれたり、一緒に帰ってくれるでしょ。
私のために人を殴ったり……そういうこともするでしょ。
彼女でもなんでもないのに。
どうしてそこまでするの?
『榛名くんきっと澪ちゃんのこと好きなんだよ!』
学校での奈子の言葉を思い出す。
そんなことあるわけないけど、もしそうだとしたらどうしよう……?
「澪は俺のだから」
"何言ってんの?"という顔で、榛名朔はそう答えた。
「……」
ダメだ、奈子。
やっぱり真剣に考えるだけ無駄な気がする。
「あんたのものじゃないってば……」
知らぬが仏。
私はただ、こいつが暴走しないように見張ってればいいんだと思う。

