「じゃ、位置情報送るからよろしく」
そう言って、通話を切る。
ポカンとしてる私に、榛名くんは優しく笑いかけた。
「こいつらのこと、助けてあげたいんでしょ」
「う、うん……」
「俺はこんなクソみたいな奴ら死ぬほどどーでもいいけど、澪のお願いならなんでも叶えてあげる。」
……榛名くんって、一体何者なの?
優等生じゃなかったの?
どうしてこんなに強いの?
誰に電話をしたの?
聞きたいことは山ほどあるけど、
『大丈夫。今度は俺が守るから』
『おい、おまえ、気安く澪に触ってんなよ』
『澪はもう俺のだよ。誰にもやらねぇ』
「なんで、そこまで……」
その瞬間、バイクのヘッドライトが私達2人を照らした。

