その溺愛、危険度99%につき



「……変わんないね。」



スマホで地図アプリを開く私に、榛名くんがそう小さく呟いた。

言っている意味がよく分からなかったけど、聞き返すほどの余裕は私にはなかった。



「ここから歩いて5分のところにあるみたい。私走って行ってくるから、榛名くんはここでこの人達のこと見てて」

「澪がそんなことしなくていいよ」
「いやそうも言ってられないでしょっ、」



どうしてそんなに冷静なの?慣れてるの?
バッと榛名くんの方に視線を移す。



「って、え、何してるの」
「澪は何もしなくていーよ。……あ、もしもし?俺だけど」



スマホを耳に当てて、榛名くんは誰かに電話をしてた。

「何とかして欲しい奴らがいるんだけど」
「あっそ。前にお前がピンチの時に助けてやったの誰だっけ」