その溺愛、危険度99%につき



でも、違う。
榛名くんは、優等生なんかじゃない。


だって優等生はこんな、こんなことしない。
誰かを殴ったり蹴ったりしない。



「近くのドラッグストアに連れてって、」
「どこか痛いの?」

「ちがう、この人達ケガしてるから」



心配そうな顔をしていた榛名くんは、私の言葉にぴくりと眉を寄せた。


「放っておいていいよ、こいつらは」
「……ダメだよ。血出てるし、放っておけない」

「澪に酷いことしようとした奴らだよ」
「最初はね。でも、もう関係ないよ」

「……」



榛名くんが連れていってくれないなら、自分で調べて行くよ。
包帯とか、消毒液とか、必要なものを買ってまた戻ってくる。