でも、違う。
榛名くんは、優等生なんかじゃない。
だって優等生はこんな、こんなことしない。
誰かを殴ったり蹴ったりしない。
「近くのドラッグストアに連れてって、」
「どこか痛いの?」
「ちがう、この人達ケガしてるから」
心配そうな顔をしていた榛名くんは、私の言葉にぴくりと眉を寄せた。
「放っておいていいよ、こいつらは」
「……ダメだよ。血出てるし、放っておけない」
「澪に酷いことしようとした奴らだよ」
「最初はね。でも、もう関係ないよ」
「……」
榛名くんが連れていってくれないなら、自分で調べて行くよ。
包帯とか、消毒液とか、必要なものを買ってまた戻ってくる。

