その溺愛、危険度99%につき



「怖い?」
「へ……」

「なら、目、瞑ってて。そこから一歩も動かないで」
「え、な、」

「ゆっくり5秒数え終わったら目開けていいから」
「待って、なにそれ、やだよ、」



この状況に頭がついていかなくて、榛名くんに全部説明してほしくて。
駄々をこねるように首を振ることしかできない私に、彼は。




「俺の言うこと、聞けない?」




今にも噛み付かれるんじゃないかと錯覚するぐらいの冷たい視線を私に浴びせてきた。

……だれ、この人。
こんな人、私知らない。

彼は、本当に私の知ってる榛名くん?



「澪、できる?」
「……ん、」

「いい子。」



こくりと頷いた私に、榛名くんは綺麗に笑った。