その溺愛、危険度99%につき



いや、そもそも私が榛名くんを路地裏に引っ張ってきたんだ。
私が余計なことしなければ、こんな危ない目にあうこともなかったのに……



「……榛名くん、ごめん……」



空いている右手で、思わず榛名くんの白いTシャツをきゅっと掴んだ。

指も、腕も、身体全部、震えている。
そんな私を横目に見て、榛名くんは言った。



「大丈夫。今度は俺が守るから」



その瞬間。
不良の1人が私の肩を掴んだ。
グイッと力を入れられて、バランスが崩れる。

キツイ香水の匂いにむせて、顔をしかめた。

顎を掴まれて、強引に上を向けさせられた。



「お、かーわいー顔してんじゃん。おにーさん、この女ちょうだいよ。な?俺らと楽しいことし──……」