入り組んだ狭い路地裏を、榛名くんは慣れたようにどんどんと進んでいく。

まるで全ての道順を知っているみたい。



「こんな時間にあんな場所で制服でうろつくのはやめた方がいいよ。女子高生ってだけで狙われるから」
「ね、狙われる?」

「あと、逃げるなら路地裏は絶対なし。」
「え、」

「人目のないとこで仮に捕まったらどーすんの。何されてもしょうがないよ」



榛名くんの背中を見つめながら、ぱちぱちと瞬きを繰り返す。

制服を着ていないせいか、いつもの学校で見かける榛名くんとはどこか違うように見えて、あ、頭、混乱する……



「は、榛名くん、」
「なに」
「……なんか、前にも同じようなこと……」