お店の名前を出したら、榛名くんは「あぁ」と反応する。
「美味しいよね、あそこ」
「そうなの!私がシフト入ってる時に来てくれたら割引してあげるよ」
「ありがと。でも、こんなとこで夜までバイトするのは危ないと思うよ」
「えっ」
「夜になるとガラ悪い人増えるし」
いやそれは榛名くんもでしょう!
実際絡まれてたよね!?
「私は大丈夫だよ。榛名くんこそどうしてここに……」
「とりあえず駅まで送る。おいで」
「えっ、ちょ、手……」
いつの間にか繋がれた左手に、目を丸くする。
お、男の子と手を繋いだのは初めてなんですけど……。
「バイト先なんて簡単に変えられるものじゃないだろうから、澪に2つアドバイスするけど、」

