榛名くんが無事なのを確認して、私は金髪不良をキッと睨む。
「失礼します!」
榛名くんの腕を掴んだまま、安全な場所へと逃げる。
あの不良が追ってきたら怖いから、入り組んだ路地裏に入った。
「このまま見つからないように駅に向かおうっ」
榛名くんを振り返ってそう言うと、なぜか可笑しそうに笑われた。
えっ、な、なんで笑うの……!?
「澪、」
「っえ」
「なんでこんなとこにいるの?」
呼び捨てにされたことに、一瞬ドキッと胸が鳴る。
優等生で人気者の榛名くんは、こーいうことをさらりとできてしまうらしい。
「バイトだったんだよっ……ほら、知らない?ハンバーガーが有名なとこ……」

