どうして、そんな風に言ってくれるの?
私たち、たった数ヶ月前に知り合ったばかりなのに。
朔は、頭を撫でる手をそのまま自分の胸へと抱き寄せた。
「……頼むから、何も言わずに俺の前からいなくなんないで。もう澪の嫌がることはしないって約束するから」
朔の胸の中で、きゅ、と唇を結ぶ。
アンタが触っていいのは髪だけでしょ、って、突き飛ばせばいいのに。
私を胸に閉じ込めて、震える手で頭を撫でる朔を見たら、そんなこと、できるわけなかった。
「絆されてんなぁ」
されるがままの私に、独り言のような光輝の言葉。
だって、仕方ないじゃん……。

