「残念ですが、手を繋がなくても不倫は立証されるんです。
週に3回奥さんとはしない、外食を楽しそうにしていたら立派に不倫でしょう?
ここのかたにいつから来てるか証言してもらいましょうか?
ね、あなた、楽しかったんでしょ?
わたしと話すよりずっと。
わたしと食事するより彼女と食事したほうが楽しいのよね。
わたしなんて必要ないわね。
ぜひとも彼女に引き取って頂かなければ。
ね、セリーヌさん。
年寄りで悪いけど貰ってください?
なるべく早くに離婚しますので。」

セリーヌさんも彼も唖然としている。
「俺はわかれるつもりなんて」
「わたし関係ないです。なんでこんな人と食事しただけで結婚しなきゃならないの⁉︎」

「あらあら。お2人とも周りの人が驚いてるわ。」
普通はね、週3回も2人で食事なんかしないのよ。常識じゃない。
どうやら商会でもうわさになってるらしいし。

「離婚準備ができ次第お2人に連絡しますね。それでは失礼します。」
そう言って立ち上がったけど、彼が腕を掴んだ。
「こんなことで離婚なんて、嫌だ。したくない。俺が悪かった。だから離婚なんてやめてくれ。たのむ。」

「あなた、今悪かったと言いましたが、自分が悪いとは思ってませんよね?こんなたいしたことないことで何言ってるんだと、思ってるんですよね?
そんなあなただから別れます。

ひとつ聞きますが忙しい忙しいと言ってわたしと2人で出かけたのはいつですか?一緒に食事したのは?
よく思い出してください。」
手を振り払って店をでた。