クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜

嘘…そんなにひどい?

内心落ち込みながらボールペンを取り出して【体、なんともない?】と書き込むと、折り直したそれを振りかぶって逢和君に投げた。


スコン。

「あてっ。」


…のが、自分の頭に直撃した。


「クシュン!…ハハ、スキルが振り出しに戻ってんじゃん」

「…」

…ほんとだね。


私は前に逢和君に教えてもらったことを思い出しながら、
もう一度紙飛行機を飛ばす。

逢和君は長い腕を伸ばしてそれを捕まえた。


「……うん。ご覧の通り。つーか、寧々こそ…大丈夫?」


逢和君がすごく心配そうな顔で私を見て、私はうんうんと頷く。

少しホッとした様子の逢和君がまた紙飛行機を飛ばそうとするのを、私は右手を前に出してストップのポーズをする。


「ん?」


停止する逢和君を確認して、
私はあらかじめ鞄に忍ばせていた紙飛行機を取り出した。


【逢和君、助けてくれてありがとう。ごめんね。今までありがとう。】


試行錯誤の末、そう書き記した紙飛行機。

私は深呼吸してから、それを投げる。

逢和君がフラフラと変なところに行くそれを難なく捕まえて、中を見た。


「…フ。やっぱりそうなると思った。」


逢和君が困ったように笑う。