クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜

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「…細流さん?どうしたの?」

「へ?」

「なんか今固まってたけど」


1時間目終わり。

トイレから帰ってきて机の中を覗いてすぐ、ピタッと停止してしまった私の顔を、隣の席の遠野君が覗き込んでる。


「あ、ぜ、んぜんなんでもないよ!」

「そっか…」


いつも早口で話が止まらない遠野君が、視線を落として押し黙った。

…遠野君も心配してくれてるのかな。


「遠野君、ありがとう」

「…っ、え!?…えっ、何が!?」


遠野君が大袈裟に目を見開いて顔を赤くして驚く。

「心配してくれてるんだよね…?私、大丈夫だよ。だから遠野君、ありがと」

私が顔を緩めて言うと、




「っわぁーーー!!」




遠野君が突然額を机にガンガンと殴りつけ始めた。
 


「俺の俺よ!鎮まりたまえ!鎮まりたまえ!!」



「…?」

遠野君、大丈夫かな…?


そこでチャイムが鳴って、2限の数学が始まった。