クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜

「…みんな暇なんだね。」

ふいに上から降ってきた、ちょっとトゲのある低い声。

「大丈夫かぁー寧々介ぇー。」

それとちょっとやんちゃな明るい声。



「カベ君、キヤ君…!」

相変わらずキラキラなオーラを纏った2人が、私の机の横に立った。

「人の噂も七十五日。新しいネタがあがればみんなすぐ忘れるよ。…あ、キヤの黒歴史でも流そうか?」

カベ君が微笑みながら言う。

「なに!?どれ!?やだ!!…あっ、寧々介!これ食う?」

唐突に無垢な目でパンを差し出すキヤ君を、後ろから来た姫ちゃんがどついた。

「食べないよ、朝からそんなでかいコッペパン!それよりこれ、お土産。」

促されて中を覗いてみると、小豆乃島の白い砂が入った小瓶のキーホルダー。
砂の中に小さな貝殻が入ってる。

「わ…かわいい…」

つい笑みが溢れる。

「お揃い〜」

花乃ちゃんと姫ちゃんがニッと笑って色違いのそれを掲げた。