クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜





「ね……っ、」




勢いよく入ってきた逢和君が、


木村君とキスをする私を見て硬直した。




「…」




木村君がゆっくりと唇を離して、笑う。

「あっはは…!細流さんのファーストキス貰っちゃった!あはは!最高~!」

そう言って、笑い転げた。



『初めてのキスは、
いつか大好きな人にあげるために取っておくものよ。
そんな簡単にあげちゃダメ。』

小さい頃、ふざけてイトコとキスしようとした私にお母さんが言ったのを思い出した。




まさか

こんな最低なファーストキスをすることになるなんて、思わなかった


相変わらず高笑いをする木村君を呆然と眺める私の目から、

ボロッと涙が溢れ出た。







神様

私はあなたに、何をしてしまったんですか









刹那、


「…!」


逢和君の匂いに包まれた。





「ッ、?」





嘘だ





逢和君に抱きしめられてるなんて、嘘だ