木村君が動きを止めて、ドアの方を見る。
「…ッ」
「シー…」
私が声を出そうとするとまた木村君が口を塞いで人差し指を立てる。
「………寧々?」
!
逢和君…!
もう一度ノックが鳴る。
「寧々…?寝てる…?」
逢和君…、逢和君だ!
逢和君の声に涙がボロボロ溢れてくる。
そんな私に木村君が囁き声で「…声出したら殴るよ」と耳打ちした。
木村君の目は据わっていて、本当に殴られる、と思ったら恐怖で喉の奥がキュ、と閉まる。
そしてもう一度、ノックが鳴った。
「…」
…足音が、離れた。
「…っ、」
足音が遠くなっていく。
涙を垂れ流しても
行かないでって心の中で思っても
遠ざかる逢和君の足音を止めることはできなくて
そして逢和君の足音は、
聞こえなくなった。
「…ッ」
「シー…」
私が声を出そうとするとまた木村君が口を塞いで人差し指を立てる。
「………寧々?」
!
逢和君…!
もう一度ノックが鳴る。
「寧々…?寝てる…?」
逢和君…、逢和君だ!
逢和君の声に涙がボロボロ溢れてくる。
そんな私に木村君が囁き声で「…声出したら殴るよ」と耳打ちした。
木村君の目は据わっていて、本当に殴られる、と思ったら恐怖で喉の奥がキュ、と閉まる。
そしてもう一度、ノックが鳴った。
「…」
…足音が、離れた。
「…っ、」
足音が遠くなっていく。
涙を垂れ流しても
行かないでって心の中で思っても
遠ざかる逢和君の足音を止めることはできなくて
そして逢和君の足音は、
聞こえなくなった。



