クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜

まだまだ飛ばすのがへたくそな私の紙飛行機を、逢和君が上手にキャッチして拡げる。

「…あー…」

私にチラ、と目配せしてバツが悪そうな顔をする逢和君。


あれ…聞いちゃいけなかったかな…?


逢和君が暫く考えてから呟いた。




「……座りたかったから」




…?





「寧々の、隣。」







ドクン。


逢和君の言葉が、

また私の心臓を大きく狂わせ始める。


「元々俺の席だったのになーって」


逢和君が外に向かってため息まじりに言った。


「え……」


なんかそれ、

勘違いしちゃいそ…


ハッと口を押さえた。

振り向く逢和君。


わたし今、声出しちゃった!?



「…」


…?

くしゃみ出ない…?


「…背中向けてるとセーフなんかな」

オレンジの夕日に照らされながらフ、と笑った逢和君の横顔がすごく綺麗で、なんだか大人っぽく見えて

どうしようもなく胸がときめいた。