バカ


逢和君の、バカ


何言ってるの、逢和君


そんな震えて


湿疹だらけの体で


私に触ろうなんて


私に触って死ぬなんて











「…………いや、違うか」


「!」


逢和君が私を見て、

少しだけ目を細めて笑った。






「前世とか、神様とか、もう…どうでもいいんだ」







その愛おしそうに私を見る目に、心が激しく揺さぶられる








「俺は、寧々と生きる」








逢和君はいつも


めちゃくちゃだ







「俺は…、

寧々に触るし、死なない…!」








めちゃくちゃなのに


どうして信じたくなってしまうんだろう








「寧々…!!」







逢和君が私に

湿疹だらけの手を伸ばした。







「来い!寧々…!!」







気迫だけで立ってるような逢和君が、


その目いっぱいに私を映して


私を呼んでる。







「っ…、」










どうして


逢和君が言うなら大丈夫って思ってしまうんだろう









「ッ、あ、おく…っ、」










涙で視界がぼやける中で


私は精一杯、腕を持ち上げた。











逢和君がその腕をしっかりと掴んで引っ張ると


木村君を蹴り剥がしながら、私を力強く抱き寄せた。















ド、クン

















熱い



逢和君と触れたところが

焼けるように熱い










次の瞬間、

真っ白な光に包まれるような感覚がして

私は意識を、手放した。