逢和君は、私に馬乗りになる木村君を見て顔を歪ませる。




「ッ、木村ぁ!!」




怒りを顔いっぱいに溜めた逢和君が、木村君を横から思い切り蹴り飛ばして私の上から退けさせた。



「グッ、…っ!」



鈍い音が鳴って、木村君は床に体を打ち付けて苦悶の表情を浮かべる。




すぐさま逢和君が、肩で息しながら心配そうな目を私に向けた。



「寧々、大丈夫か!?」


「ッ…、」




私は首を小さく縦に振り、涙をこぼす。




ほんとに

助けに来てくれた…




たくさん走って探しにきてくれたんだろう逢和君の姿に、

胸が焼けるように熱くなって涙が溢れる。




「クシュッ、クシュン!」

「…!」




逢和君の肌に、ジワジワと赤い湿疹が広がっていく。

逢和君は苦しそうによろけて、ドアの縁に寄りかかりながらその場に崩れ落ちてしまった。




「クシュン!クシュン!…う、ハァ、ハァ、」




感動して一度沸き立った血が、また冷えていく。




どうしよう…ここは狭すぎるんだ

私から離れられればいいのに、相変わらず私の体は言うことを聞いてくれない

逢和君、前より症状がひどくなってる…?

どうしよう、どうすれば…!