気が付いた時には、もう教室の外へと飛び出していた。


「あっ、おい!チカ!?」


カベの声が背中にかかっても返事すらせずに、廊下を全力で駆け抜ける。







寧々


寧々


どこだ、寧々


何もなく家に帰ってくれてればいい、

この嫌な予感が取り越し苦労であってほしい、

そう思いながらも額からは冷汗が流れ出て、階段を駆け下りる足を止められない。





…神様


意地悪な神様


あんたって、本当に神様?


神様ならこれ以上寧々を傷つけんなよ


あんな最低なこと、もう起こらないようにしてくれよ




「ハァ、ハァ、ハァ、」




俺の足、こんなに遅かったか?

もっと早く動けよ、ポンコツ!






寧々

どうか、無事でいてくれ…!