…あ。頼堂が寧々の猫っ毛を触った。

されるがままの寧々が、しばらく不思議そうに頼堂を見たかと思うとふにゃ、と笑った。

…かっわ。

国宝か?国宝だな?

そこ代われ、頼堂。


俺の視線にまるで気付かない委員会メンバーに少し寂しく思いながら、

ふとカベが置いていった『God's mischief』の和訳のプリントが目について、拡げて眺める。

カベ曰く、物語の舞台は1600年代前半のイギリス。

ヒューイ王子とサラ王女は、何かを成すことなく若くして亡くなっていて有名ではないらしいけど、確かに系図にも載ってる実在した人物だそうだ。

本は65ページあってその内容の大筋をざっくり言うと、

ヒューイ王子とサラ王女は両想いの恋人同士で、なんの隔たりもなく結婚するはずだったけど

神様がサラを気に入ってしまい、嫉妬した神様がヒューイに呪いをかけた、って話。


その呪いというのが、