クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜

「ありがとう花乃ちゃん。」

「ねぇ、信じてないでしょ。」

「だって花乃ちゃんの方がずっとずっと可愛いよ。」

「ッカー!だからね、寧々。私と寧々はタイプが180度違うの。私はビシッとした美人系。寧々はふにゃふにゃの可愛い系。ここで比べること自体がおかしいんだよ!」

花乃ちゃんの堂々と自分を美人系と言えちゃうところ、好きだなぁ。

「そっかぁ」

「だからそのからっぽな返事やめなさい!」

「えへへ。はぁい。」

「…あ!寧々!ご飯!!」

「!」

私の目の前には、白ご飯がふた口だけ食べられたお弁当。

見上げると、授業開始時刻まであと5分を知らせる時計。


「…っ大変!大変だぁ!」

私は慌ててご飯にお箸を突き立てる。