ナオの手は熱くて、でもかすかに震えてて。
「琴美、俺は」
余裕のない彼の声。
おずおずと顔を上げればナオの瞳が真剣だったからドギマギした。
「ナオ、近いよ」
「俺のこと避けんなよ」
「避けてなんかない」
「ウソだ」
「違う」
「そんなに俺が嫌いかよ?」
「そんなんじゃ」
「じゃあどう思ってるんだよ?」
ジーっと穴が開くほど見つめられて足がガクガクする。
彼の形のいい唇についつい視線がいってしまうよ。
もう、ムリ。正直に好きって言ってしまいたい。
大好きだから、避けてたんだよ。
あんたが突然キスなんてするから変に意識して平常心じゃいられなくなったんだからって。
ぜんぶぜんぶ、あのキスのせいなんだからって。



