[短編]大好きな幼なじみに突然キスされて。

「ナオ、あの……」


「どうして、俺のこと避けてんの?」


眉を寄せて低い声で尋ねるナオ。


「え、えと」


「合コンってなんだよ?」


「あ、それは」


「ただの幼なじみとか言ってたし」


立て続けに質問されて困った。


「立ち聞きとか、やめてよ……」


小さな声でボソボソ反論して俯いた。


ああ、やっぱりあたしって可愛くない。


「琴美」


つかつかと歩み寄ってこられて胸がドキッとする。


シトラスの香りがふんわりして、あの時のことを思い出した。


彼とのキスが頭をよぎった。


その時の気持ちと一緒に。


嬉しかったんだ。本当は、でも……言えなくて。


「こっち見ろよ」


「わ」


右の頬に手を添えられてビクンとなる。