[短編]大好きな幼なじみに突然キスされて。

「ダメかな?」


「ダメっていうか。篠原の気持ちに応えられないから」


「そのことはゆっくり考えてみてって言ったでしょ。私、待ってるから」


「でも俺は……」


その時、彼が気まずそうにあたしの方を見た気がした。


あ、もしかして聞かれたく無い会話なのかも。


確かに、なんだか2人にしか分からない内容で……。


急に胸にトゲが刺さったみたいに痛くなって、これ以上この2人を見ていたく無いって思った。


切なさが込み上げてきてどうしょうもない。


「ナオ、先に行ってるね」 


気を利かせたつもりでそう言うと、急いで2人に背を向けて駆け出していた。


「待てよ、琴美一緒にいこう」


彼女を放って行けるわけないでしょ、空気を読みなさいナオ。


だけど。