[短編]大好きな幼なじみに突然キスされて。

「ちょっ、ちょっとナオったらそんな言い方」


「琴美には関係ない」


プイッと顔をそらされたので、ついつい噛みつきたくなってきた。


「あんたねー、もう高校生なんだからちょっとは女の子に気を遣ったら?」


「やだね」


「はあ?」


なんだその、駄々っ子みたいな態度は。


「だいたい、あんたはね普段から愛想がなさすぎ。もっと気遣いを覚えなさいよ」


「俺の勝手だろ」


憮然とした顔は子供の頃とちっとも変わらない。


ほんとに頑固なんだから。


「そんなんじゃ、もてないからね」


しまった、ナオは充分モテてるんだった。


「……」


どんなに女子達に塩対応しようが、顔が極上だからそんなの関係ないみたい。


だけど、あたしのその言葉で一瞬彼が微妙な表情をしてひるんだ気がした。