[短編]大好きな幼なじみに突然キスされて。

ナオは彼女から離れるなり、こう言った。


「あのさ俺その呼び方、やめて欲しいって言ったよな」


「え?まだナオくんって呼んじゃダメ?」


「まだ、じゃなくてこれから先もずっと」


眉を寄せて冷たく言い放つナオ。


「えっ、そっ、そっか」


すると彼女は悲しそうにしょんぼりしてしまい。


見てるこっちがハラハラしてしまう。


ちょっとびっくりした。


てっきり仲がいいのかなって思っていたけれど違うんだろうか。


ナオは普段から自分に近寄ってくる女子全般に対して塩対応だけど、こんなに可愛い子にまでそんな態度をとっているのか。


ちょっぴりホッと安堵してしまったあたしって意地悪かな。


「ごめんね」


だけど、うつむいたまま黙り込んでしまった彼女が心配になってしまう。