[短編]大好きな幼なじみに突然キスされて。

「琴美どうした?まぬけ顔して」


涼しい顔でからかわれた。


「……」


なんだ、一瞬甘い言葉を吐いたからびっくりしたけどたいした意味はなかったのか。


「おはよ」


そう言ってするっと自然な感じであたしの首の後ろにまわされる彼の筋肉質な腕。


ナオは親しい男友達によくこういうことをする。


無愛想でとっつきにくい性格だけど、仲良くなると意外と距離感が近いみたい。


だけど、今日ばかりは必要以上に胸がドキドキしちゃう。


どうか静まりたまえ、あたしの心臓。


きっとナオにとってはこのくらい普通だし、なんとも思ってるわけないんだから。自分だけドキドキしたくない。


それにしても、今朝のナオも憎らしいくらいカッコいい。


あたしは昨夜眠れなくて寝不足なのに
彼は朝からスッキリした顔で清涼感があふれてる。