[短編]大好きな幼なじみに突然キスされて。

井上は残念そうに言ってあたしの肩に腕をまわしてこようとした。


ゲッ、やめてよ。


朝から気安く触られたらますますテンションが下がりそう。


だからサッとよけようとした、その時……。


ドスって鈍い音がして井上が前のめりにつんのめって転びそうになった。


「わりー」


すると涼しい顔をしたナオがいつのまにかあたしの隣にいるので、思わず腰を抜かしそうになった。


わわっ、ナオ突然どっから湧いて出たっ?


「いってーな。直哉」


井上はお尻をさすりながらぼやいた。


「井上が邪魔なとこにいたから」


「は?なんで」


わけわからんって顔の井上を威圧的に見下ろすナオ。


「ここは俺の場所だから」


「えっ」


「琴美のとなり」


えっ、それってどういう意味?


一瞬胸がキュンとしそうになって、ぽかんと口をあけていたら上から覗きこまれた。