［短編］大好きな幼なじみに突然キスされて。

「琴美はいつもそうだよな」


「え？え？」


ムカついたって言葉通りに不機嫌そう。


どうして怒らせてしまったんだろ。


「ひゃっ」


ぐいっと強い力で腕をひっぱられて前のめりに身体がよろけた。


凄い力でびっくりしていた。


こんな時なのに、ナオがあたしの身長を追い越したのは何年前だったかなってぼんやり思い返していた。


「今すぐ、その口塞ぐ」


いつもと明らかに違うナオの表情にドキドキした。


「へ、どういう意味？」


ナオ？なんで？


あたしはあんたの意味不明の行動をフォローしてあげようとしただけなのに。


気まずくなるのが嫌だからわざとおどけてみせた。


あたしは一体どのへんで地雷を踏んだんだ？


だってこのあと、彼があんな行動にでるくらい。


頭に血をのぼらせてしまったんだから。


「ンンッ……」


触れ合う唇の熱さは生涯忘れられない。


その心地よさも、ぜんぶ。


びっくりしすぎて目を閉じるのも忘れてた。


大好きな幼なじみからの突然のキスは一瞬の出来事だった。