[短編]大好きな幼なじみに突然キスされて。

カンカンカン……ノックアウト。


ああ、もう好きーって言って抱きつきたい。


いやいっそ押し倒してしまいたい。


自分のなかのオオカミさんを必死で押し殺しながら、おそるおそる口を開いた。
 

「な、なにそれわけわかんない」


「ああ、そうだよな。俺も」


「へ?」


「わけわかんないんだ」


はぁってため息を漏らして天井を仰いで黙り込んでしまった。


ええっ、なんだそれっ。


にしても、なんだか気まずい雰囲気。


もしかしてあれか。


気の迷い……かな。


もしもそうなら、こんなことで友達関係にヒビが入ったらやだな。


ここは、広い心で笑って流してあげるか。


まさか、ナオが私のことを女として見ているわけがないだろうから。


そうわかっていたので、あえてこんなことを言った。