第一話 古淵美和

古淵美和こぶちみわは古淵家の次女である。
今、生け贄でもある。

父はこれが血盟けつめいだと言われ、未婚女性の血である冥府めいふの霊王れいおうと結ばれたの誓い。美和の家族には占い師、法医、霊媒師や霊能力者と葬儀屋、巫女などこう言った仕事をしている人がほどんとである。そう言った職業としている家族もいる事によって、美和の子どもの頃に友達から死神一族なんって呼ばれることもしばしばであった。

しかし、美和は他の家族に比べ運良く古淵の本家で生まれたからこそ、死体を生で触れることのない神社の巫女として奉職している。美和の姉である古淵紅こぶちくれないのお陰でようやく制度に女性宮司を認められ、美和は実家である神社をあと継ぐする予定、輝かしい未来をはっきり見えるだが、その先には大きな災難は美和を待っている......

古淵一族の言い伝えは、丙午ひのえうまの年に生まれた女と関わってはいけない。なぜなら、災いを齎し、気性が激しいの上、夫の命を縮めると言う。丙午の女が一族にいたら神の罰を与えて、追放すべきと言うのを古淵一族の追放派がしている事。美和は丙午の年の女ではないが、美和の母は霊能力者の関係で、生まれた日に霊を呼び寄せやすい体質になっている、男の霊はなんか特にである。また、赤坊時から霊を見えることによって、霊界では霊の嫁として男霊だんれいたちに認められている。

美和が生まれたによって追放派は古淵一族の言い伝えを一つ増やそうとしている。それは霊の嫁に関わってはいけない。なぜなら、丙午の女と同じと言うがそれよりも危険な女であるからだ。そして、美和の母親を中心に追放派とは真逆に保護派ができたのだ。実際、本家と分家は友好な関係ではないが、しかし、派閥化している古淵一族は一部の本家と分家の人の関係は昔より友好になったのも事実である。

この古淵一族の言い伝え中には因習いんしゅうと言われるものがある。今の時代では迷信めいしんに染められる思想はいないだろう、しかし、思想に制限があるからこそ、因習と言う思想の産物ができるのだ、いつの時代でも、どの国でも。概ね後進的で古い、時代の発展についていけなかった古代の社会を封建社会と私たちは言う、その思想は封建思想と言うが、未来人は今の私たち現代人のネットが発展し過ぎる社会を泡沫社会だと言うだろう、その思想を泡沫思想と言うだろう。

一方、転生できない男霊たちは美和を嫁に貰いたかったが失敗ばかりなのだ。それでも男霊たちは諦めなかった。美和は平穏に二十歳の清楚令嬢に育ったので保護派の本家と分家はとりあえず一安心しているところになりたかったが、美和は再び追放派に拉致された。

「お前の体には罪の血が流れている」と美和を拉致した追放派の人は言う。その人は仮面を被っている、まるでジェイソンだ。目つきは混沌としている、あざ笑った。冷たい言葉が美和の骨に刺さった。

「罪の血が流れているのは貴方ではないか?新たな宮司制度が認められた今でも拉致ですか?大胆な行為ですな」両手と両足が縛られている美和は鼻で笑った。

突然、美和は女性の悲惨な叫び声が聞こえ、危うく美和の耳膜を突き破ることろだった。なまぐさい血が美和の鼻の奥に押しつけてくる、何処から出てきた匂いなのかか分からないほど、吐き気がする。気がづけば真っ赤なカーテンが美和の目に映った。惨めな明かりをカーテンに映しより怪しく見える。美和を拉致した人はそのカーテンを開け、裏に窓があった。窓の向かいにもう一つの部屋がある。美和は電気椅子に座っている女が見えた。女は気絶している。

細い腕に沿った床にポタポタと落ちていきた鮮血は小さな水しぶきになっている。床は赤に染められている。木工用の振動ドリルの音はまるで美和の耳元で響いているようだ。振動ドリルを手にしている人は誰かに見られているのを気づき、後ろに振り向いた。美和に対して不気味な笑顔を見せ、女は気絶しているのにも関わらず振動ドリルの人は振動ドリルを女に刺し、一回、二回、何度も激しく、気分が高揚し、絶頂の快楽を得た。刺激に痺れているにより更に気持ち良い刺激を求めている。女の意識は戻って途端、振動ドリルの人は電気椅子に二千ボルト以上の電圧を通した、女の他の皮膚の初期の抵抗を破壊され、髪の毛まで徐々に焦げる女の絶叫は絶叫の域を超えていた。徐々に内臓にも深刻なダメージになっている。

冷静になろうとした美和は硝子窓の奥の部屋を見渡すと、チェンソー、斧、処刑器具のギロチン、伝説の中世の処刑器具にニュルンベルグの鉄の処女まである。まるで拷問部屋だ。戦慄した美和は腰が抜けた、マッハ二百があればそれで脱出したい。古淵一族の追放派は拉致だけではなく監禁や迫害もしている。美和は拉致された経験があるとはいえ、追放派はますますやる事が激しくなっている。今、美和は死神の影に飲み込まれそうになっている。美和を拉致した人はジェイソンが使ってそうなマチェーテを取り出した。

「遺言はあるか?」美和を拉致した人はまだ人性じんせい残っていた、それがギリだった。

「私に罪は無い」美和は何処から湧いて出てきたマチェーテを見て淡々と言った。此処から冥府に行くことも解脱なのだし、これで毎晩の二重の痛みを感じなくなる。

美和を拉致した人は美和の頭からマチェーテを振り下ろそうとしたが、美和の姉である古淵紅が別の硝子窓を蹴り窓の外から美和のいる部屋に飛んできた。まるでドラマや映画に出てきそうな一時、マチェーテは何処かに消え、美和を拉致した人も倒れた。紅は素早く美和の両手と両脚を解き、美和を助け出した。

「姉さん、隣の部屋にもう一人の女がいる。」と美和の声は震えている。

「私は窓を蹴り飛び込んだ時に濃い匂いがした、きっと駄目だわ。」と紅は言う。

美和は紅が潜入救助前にエンジンの音でバレないように隠蔽した車に急いで乗った。紅は車を出し、普段の運転よりもスピードをアップした。

「美和!追放派はもう元の追放派では無くなった。元々追放派は丙午の女を追い出すのが主にであった。今もそうであるが、しかし、ただの変態殺人鬼の人もいる」と紅は運転しながら話した。

「姉さん、私たちも終わりよね」と美和は言う。

「馬鹿なことを言うな、美和は本家の神社の宮司として絶対にあと継ぐするのよ。そうならば......」紅は一瞬考え込んだ。

「そうならば?何?」と美和は言う。

「とにかく!馬鹿なことを考えないで、美和は宮司として古淵一族の誰よりも相応しいよ」紅は美和の声によって気が戻り言った。

「分かったよ、姉さんの為にもあと継ぐするよ。そうだ、姉さんはなんで私が拉致されたと分かったの?」

「家に手紙が見つかった、美和の文字の書き方と書きそうな言葉のようだけど、でも違うからね。姉だから分かるんのよ」紅は微笑した。

美和はどんな事があっても家出しない人である。紅はブレーキを踏み、美和と紅は一緒に無事に家に着いた。「ただいま」美和と紅は同時に言った。

誰もいない......
美和と紅の母である古淵華こぶちはなも家にいない。美和は何気なくテーブルを見た、テーブルに手紙が置いてあった。「姉さん、手紙!」美和は手紙を手に取った。

手紙の内容は、愛しい娘たちへ、この手紙を受け取った時に私はもう古淵氏にいないかもしれない。紅と美和の悲しい顔見たくないから私は去った。一族から出たかった、こんな私がこんな娘を産んだら一族から出る勇気もないかもしれない。しかし、毎晩に美和の痛みを見て憎んでいる。今まで美和のためにたくさんの事をしてきた、もう疲れ切った。これからはお姉さんと一緒に頑張って欲しい。たとえ、私の去りに憎んでいても美和に罪は無い。もう他に理由がない。ただ、私を母として選んでくれてありがとう。

「何よ、きっと罠だよ。母が書きそうな言葉に同じ文字の書き方!同じ手段で騙されるとでも思っているの?この変質者め、どこまで私たちのことを知っているの?」美和の涙腺から塩水が湧き出て、目にあたたかいものが一瞬で広がり熱く感じる。小顔に塩水の粒が付いている。

「これは、本物よ。美和」今まで強気だった紅は母が去ったことによって心細くなってきた。

「え?本物って!?」美和は涙が滝のように泣いている。

「親にも親としての不安や親としての特別の気持ちがあるのよ。今、母さんが離れることはもしかして良い事かもしれない」と紅は心細くなっても、妹を守らなければならないの思いで言った。