現在、いい雰囲気になっている異性を目の前にして、久しぶりに意味を持ってしまった数字の羅列。
はっきり言って、最悪だ。
何もこんな時に思い出すことじゃない。
「煮え切らない返事だね」
「そうかな。」
「そうだよ。この話してからちょっと上の空じゃない?」
目の前の彼にまでわかってしまうほど、今の私は過去の記憶を引きずってしまっていたのだろうか。
「大丈夫だよ。そんなふうに思わせてしまってごめんね。」
「ほんと?ならよかった。せっかく二人で出かけてるんだから、僕のこと、考えててほしいからさ」
「もちろんだよ」
私って、こんな喋り方してたっけ。
きみの前では、最初から最後までもっとわがまま放題だった気がする。
それにきみは笑って応じてくれてたよね。


