溺れる遺伝子

「おはよぅヒナ!焼けたね!」

「ツバサも…」


翌週の日曜。
ヒナはツバサをなんだか直視できなかった。
あの時の温もりがまた体にふっとよみがえってくる。


「…照れてる?」

「うん」


悲しくないのにどうしても下をみてしまう。
あの時は恥ずかしいなんてちっとも思わなかったのに、今はどうしようもなく恥ずかしい。


「昨日はごめん!」

「ぇ?」

「突然…キスなんかしちゃって」

「あ、別にいいよ…」

「傷ついてない?」

「うん」


不意にツバサの手がヒナの腰にまわった。


「好きだよ」

「あたしも」