溺れる遺伝子

あたりにたちこめる異様な水槽のニオイに
職員がすぐにかけつけてきた。


「稲森さん!?」

「……。」

ヒナはもともと、動物を虐殺したため、ここに預けられた。
そんなことを職員が鮮明に思い出した瞬間だった。


「…お風呂、入ってきなさい」


しかし、職員はヒナを怒鳴りつけることなどできなかった。


ところが、ヒナの行動はエスカレートするばかりで、
メダカだけでは終わらなかった。