溺れる遺伝子

「無償の愛」

なんて言葉、私は信じられない。

だって、無条件に認めてくれる人なんて、いない。


…だから、何をしても認められない私はオンナという特性を生かして、愛されるんだ。


『愛されているものが勝ち。』
この世の中ではなんとなくそんな流れがあるし…。


…だけどね…

どこかでそう割り切ってしまいたくないと思ってしまう。


自分のなかでまだ淡く期待が残っている、空想上でしかない「愛」を諦めきれない。


生きてて14年間

まだ見つからない本物の…綺麗な愛がどこかにあるような気がしてならない。…どうしてだろう。


…もしかして…

それを見つけるのを諦めた時、人は大人になるのかな…。




…あらためてみると、プリクラの中のヒナはカラ笑顔しか浮かべていないように見えた。


そんなからっぽの自分に蓋をするように…

何枚ものプリクラをまとめて机の奥へまとめて押し込んだ。