溺れる遺伝子

ねぇツバサ…ごめんね……

私、ツバサに抱きしめられながら、お母さんのぬくもりを必死でさがしてる。


だからね、いつも本当はいやなんだ。

―――抱きしめられる、その先のことは……。



…ってことは…、同じなのかな…


私は、ツバサに母親がわりのぬくもりを求めてて

ツバサは私にメスの役割を求める。


お互いが、お互いの人間そのものを求めるんじゃなくて…
もっと…こう…なんていうか……。



「愛してるよ」

なんてお互い言うけど、

本心はぜんぜん違う場所にある気がするんだ………。