溺れる遺伝子

ヒナの足は自然と声がする方に向かう。

「 い や だ 」

心の中ではなんとなく、声のする方に行きたくないのに、足がとまらない。


コツコツ…コツコツ。


遠くの方に何かが見える。

あれは……だれ??


一人の女の人が子供を必死であやしている。
しかし子供は叫ぶばかりで泣きやまない。

よく見ると遠くから男の人がひとりぽつんとその二人の姿を傍観している。



…あれは……


私と子供…それから…ツバサ??