溺れる遺伝子

…金色のパンプスはきっと…

…私を幸せに導いてくれるよね…


ヒナは夢の中にいた。


金色の靴がまぶしすぎて、夜は明かりがいらないほどだった。

自分はどこへいくかもわからないまま、歩いている…。

多分、幸せの方向へ…。


コツコツ…コツコツ…。

慣れない高めのヒール。
歩くたびに大人な足音が心地よく耳に響く。


コツコツ…コツコツ…。






…ぉぎゃぁ……おぎゃぁ!!!
…パパァ…パパ……パパァ!!!!


遠くで誰かが泣いている。

子供?幼い…男の子かな…